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事業の再生
事業の再生とは
会社の経営は非常に苦しいけれども、長年苦労して経営してきた会社を何とか続けたい、家族や従業員のためにももう少し頑張りたい、と考えていらっしゃる経営者の方は多いと思います。
会社は公器です。ご家族や従業員を始め様々な利害関係者もいらっしゃいます。中小企業の経営者の事業を継続したいというお気持ちは非常に大切なものであり、応援をさせていただきたいと考えております。
事業再生といっても、その手続は様々であり、会社の業況に応じてオーダーメイドで設計をして手続を選択していかなければなりません。
まずは、会社の状況を把握することです。業績の悪化は売り上げの不振と簡単に片づけるべきものではありません。事業を巡る環境は日々変化していくことは当然であり、内部環境の悪化(組織や運営の硬直化等)、外部環境への対応の遅れはどこの企業にも発生します。どこに原因があるのか把握することが大切です。
企業には定期的な洗濯、リストラクチャリングが必要なのです。そのため、できるだけ早く、客観的な第三者により、事業停滞、資金繰りの逼伯の原因を探り、同時に会社の強み、事業の強みを確認しないといけません。これまでと同じ方法で時間を無駄にすると、効果的な選択肢がとれなくなってしまいます。早期の事業デューデリジェンスが必要なのです。
当事務所では弁護士だけではなく、税理士等とのネットワークを利用してワンストップでご支援をさせていただきます。
その上で、どう資金繰りを回していくのか、業績を好転していくのかを専門的に一緒に考えるべきです。専門家に投げるのではありません。経営者の方には覚悟をもっていただき、一緒に、いやむしろ主体的に考えていただくことになります。事業継続の見極めをするのです。
単純に言えば、現在でも本業の利益、すなわち営業利益プラス役員報酬がプラスなのであれば(具体的には金融機関への金利払いプラスαを賄えるのか)、あるいはリストラクチャリングによりそれらの利益が出るなら、事業継続の見込みはあります。大事なのはキャッシュフローです。会社の問題点を一つ一つ解消し、中小企業の命であるスピード、小回りのきく事業展開を回復し、業績回復を目指しましょう。負債については、リスクによる私的整理(弁護士が介入して条件変更を交渉する)や裁判所の特定調停を利用した借金整理をすればいいでしょう。専門家がお手伝いをし、実現可能かつ金融機関を納得させることのできる事業計画を立てていただき、交渉をしていくことになります。弁護士だけではなく税理士等とのネットワークを利用してワンストップでご支援をさせていただきます。
もちろん、事業再生には長い期間の、かつ日々のモニタリングが必要となります。リスケを行ったのであれば、一年ごとに計画の進捗確認あるいは見直しをして金融機関と折衝をしなければなりません。何かの手続をしたらすぐ処理が終わるのではなく、専門家は企業に寄り添っていかなければならないのです。
仮に事業継続の見込みが立たない場合(債務のカットが必要な場合)には、民事再生か自己破産を検討することになります。事業再生の場合は、まずは民事再生を検討するのですが、ただし民事再生は劇薬です。仕入債務も同時に整理する必要があるなど、事業継続への影響が強く、スポンサー企業が存在する等、民事再生を利用しても事業継続が可能な場合(仕入債務の現金払い等に耐えうる資金投入が可能な場合)に利用せざるを得ません。民事再生、自己破産を選択する場合には、これも早期に、後の手続がスムーズに進むよう、資金繰りのタイミングを見計らいながら準備をしていかなければなりません。弁護士の早い段階からの介入が必要です。
このように事業の再生や法的手続選択の決断には、専門家を介したデューデリジェンス、手続の選択、事業計画の作成、日々のモニタリングが要求されます。
できるだけ早く専門家にご相談ください。
当事務所の弁護士 仲田誠一は、8年間の金融業務の職歴があり、中小企業の経営についても様々なケースを経験しておりますので、その経験を生かして、的確な助言・アドバイスをすることができます。
事業再生の手順
- ①事業デューデリジェンス
決算書、試算表、資金繰表、謄本、株主構成、組織図、相続関係図、代表者等の財産一覧表、定款、就業規則等々あらゆる資料や現地調査を基に経営者の方と事業継続の見込みがあるかどうかを考えています。 - ②事業計画の策定あるいは手続選択
事業継続の見込みがあるのであれば、事業計画の策定にかかります。資金繰りに応じて、金融機関との折衝、特定調停申立て等を行っていきます。
民事再生手続、自己破産手続が必要な場合には、資金繰り状況に合わせてその準備を行っていきます。代表者の自己破産も必要になることがあります。 - ③継続的モニタリング
事業再生が計画どおりに進んでいるか、見直しが必要か、金融機関への報告、再度のリスケの折衝のためにモニタリングを続けていきます。