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旧コラム 2018年12月 2ページ目

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相続放棄と葬儀費用の関係【相続問題】

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

今回の相続問題コラムは、相続放棄のお話です。

相続放棄をしたいけど葬儀費用を被相続人のお金から支出していいのか、というお話です。

 

民法921条では単純承認の効果を生じる法定単純承認行為が定められています。
同条所定の行為をすると理屈上、単純承認をしたことになり、相続放棄ができなくなります。

その中でもよく相談を受けるのは、相続財産の「処分」です。
相続財産を「処分」してしまうと単純承認をしたことになります。

 

それでは、相続財産から葬儀費用を支出した場合は相続財産の「処分」に該当するのでしょうか。

みなさんの感覚はどちらでしょうか?

感覚的にはいいじゃないかと思われるかもしれませんね。

また、税法の世界では葬儀費用は相続債務の扱いですね。
債務を返済するだけだからいいではないかと思うかもしれません。

一方、相続法(民法)の世界では、葬儀費用は相続債務ではないから遺産から当然支払ってはいけないという理屈が支配的です。

そうであれば、遺産から葬儀費用を支出する行為は、遺産の「処分」に該当すると言ってもいいような気がします。
 


実務上は、相続放棄をする場合でも、一定の範囲で被相続人の財産から葬儀代を支出することは許容されています。

当然営まなければならない葬儀費用(常識的な範囲内の葬儀費用ですね)への相続財産の支出は、「処分」に該当しないとする裁判例があります。
その判断は一般にも支持されているところです。


勿論、一概に葬祭費用と言っても、相続財産から支出すべきではない費用項目もあります。
常識的な範囲でかつ謙抑的に支出しないといけないのでしょう。

 

なお、墓石、仏壇の購入費用に相続財産を支出することは葬儀費用とは別問題です。
 

事例判断として、相続財産の処分に該当するとは「断定できない」とした裁判例はあります。
しかし、遺産の処分と言われても仕方がないなあとも思います。

少なくとも、リスクが相応にある行為ですね。

 

相続放棄を考えられている方は、遺品の整理なども含めてやれる範囲があります。

弁護士などの専門家に相談してから物事を進めてください。

 

遺言、相続、遺留分相続放棄等相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

https://www.nakata-law.com/

 

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他人の所有・賃貸物件、社宅に居住の自己破産等の注意点 [借金問題]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

今回の借金問題コラムは、自己破産や個人再生をする際に、他人が所有するあるいは賃貸する物件に居住しているケースや社宅に居住しているケースの注意点をお話しします。

債務整理のうち、自己破産、個人再生を申し立てる場合には、裁判所が指定する必要書類がございます。
中には「なんでこのような書類が必要なのか」聞かれるものもあるのですが、必要書類だから必要だとお答えするほかありません。

必要書類の中で、居住証明に関する書類があります。
居住の証明は住民票だけでいいではないかと言われそうなのです。
しかし、提出書類の1つなので仕方ありません。

居住証明として必要とされる書類は、原則、賃貸借契約書(賃貸している場合)あるいは所有不動産の登記簿謄本(所有物件の場合)です。

しかし、ご自身では賃借していない物件、あるいは他人所有の物件にお住いの場合もあります。

社宅にお住まいの場合もありますね。

そういう場合には、どういう書類を出せばいいのかということになります。

第三者の所有物件あるいは第三者契約名義の賃貸物件にお住まいの場合には、原則として、当該所有者あるいは賃貸借契約の名義人から「居住証明書」をいただかなければいけません。

居住証明書に、不動産登記簿謄本あるいは賃貸借契約書を添えて提出することが原則なのですね。
その手間があることをご注意ください。


勿論、同一世帯の近しい親族が所有者あるいは賃貸契約名義人の場合には、賃貸借契約書あるいは謄本の提出だけでいいでしょう。

社宅に居住している場合は説明に困ります。

借上げ社宅の会社名義の賃貸借契約書は持っていないことがい多いですね。

また、会社に居住証明書をもらうことは難しいですね。

そういう場合は、社宅利用許可証、社宅費天引きの給与明細等社宅を利用していることがわかる書類を提出し説明を尽くすことで許されることが多いです。

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

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自己破産、個人再生でのネット専用口座の提出書類 [借金問題]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

 

今回の借金問題コラムは、自己破産や個人再生の際のネット専用口座の扱いなどを解説します。

債務整理のうち、自己破産、個人再生は法的債務整理手続ですね。
裁判所への申立必要書類に通帳(提出するのは写し)があります。


しかし、最近は通帳が発行されないネット専用口座も多いですね。

その場合には通帳がないので、ネット上で打ち出した取引明細や郵送でお願いした取引明細を出すことになります。

広島本庁では自己破産、個人再生の申立時には、最低直近1年間の通帳の写しを提出しないといけません。
それに応じて、ネット専用口座も1年間の取引明細を出さないといけません。

また、普通預金以外の預金がないことがわかるような画面(保有口座が一覧となる最初の画面等)も必要でしょう。

 

ところが、ネット専用口座のある銀行のカードローン等の債務がある場合、受任通知を送るとインターネットバンキングが使用できなくなることがよくあります。
そのため、受任時には、予め取引明細を取っておくよう願いしています。

スマホでしかみられない方には面倒ですがなんとか紙ベースにしてもらっています。

ただし、裁判所から自己破産あるいは民事再生の申立て直前までの取引明細を要求される場合もあり、その場合は銀行に郵送でお願いしてもらわなければならないです。

他にも、色々なところでペーパーレス化が進んでいます。

クレジットの利用明細、請求書、給与明細、源泉徴収票、各種規定などですね。

紙ベースで提出しないといけないケースもあるので、書面化に苦労をしていただくケースもあります。

自己破産、個人再生の書類の準備も少しずつ様変わりしています。

 

債務整理(任意整理、個人再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

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財産分与、慰謝料と税金 [離婚問題]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

 

広島大学大学院法務研究科(ロースクール)での租税法の講義では、毎年、離婚にまつわる税金の話をしています。

弁護士はお金や物のやりとりに関与することが多いです。
お金や物がやりとりされると、必ず税金を気にしないといけません。
そのため、弁護士実務にまつわる税金の話をしています。

離婚も例外ではありません。特に、将来弁護士になった場合は離婚にかかわることが多いですからね。

 

財産分与の課税関係からお話ししましょう。

 

財産分与は無償で財産を移転しますね。
しかし、贈与税課税はないのが原則です。
財産分与は夫婦共有財産の清算ですからね。


ただし、贈与税・相続税を免れる目的の財産分与のすべて、過大な財産分与である場合の過大部分、には贈与税が課税されます。

実際問題として、離婚をしたいしたくないの力関係などの事情によっては、離婚の成立を最優先し財産分与においてかなり譲歩された形の離婚が成立することもあります。
2分の1の割合を大きく超えるような財産分与には少し気を使います。

 

なお、法律上は贈与者も連帯納税義務を負います。
リスクは当事者双方気にしなければなりません。

 

土地や建物の分与の際には、分与者に譲渡所得課税がなされます(譲渡所得税の話は不動産による財産分与に限られません。ゴルフ会員権等、資産による分与の際には考えることになります)。


資産による財産分与は、財産分与時の時価で譲渡した(収入が時価額)と見られます。

今のご時世では、婚姻中に取得した不動産の時価が取得価格(建物は減価償却の考えが適用されますが)を上回っていることはあまりません。
そのため、実際に課税されることはあまりないでしょう(居住用財産の譲渡に関する特例の活用もできます)。

ただ、忘れてはいけないリスクです。

 

不動産の財産分与の場合、分与さえた方の不動産取得税も気になるところです。
しかし、不相当なものではない限り、課税されません。
夫婦共有財産の清算ですからね。


勿論、所有権名義変更登記の際の登録免許税、将来の固定資産税の負担はありますよ。

 

なお、慰謝料債権は非課税です。慰謝料をもらっても課税されません。
慰謝料は無形損害・精神的苦痛に対する損害賠償金ですから。

不相当な額ではない限り、所得税、贈与税等の課税がなされることはありません。

離婚協議書を作成する際には、財産分与慰謝料の両項目を使ってバランスを取ることはありますね。
登記する際の登記原因はどちらかにしないといけないのですが。

 

離婚にあたっては、ケースによっては税金で足元をすくわれるリスクもあるということです。
中には、税金がかかることを知らなかった(錯誤があった)として、離婚協議の無効が認められたケースもあります。

 

離婚婚姻費用養育費財産分与慰謝料請求等、離婚問題のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

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相続放棄における法定単純承認事由 [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

相続問題のうち、相続放棄における法定単純承認事由(こういう行為をすると相続放棄、限定承認ができないよとの事実)のお話をします。
その中でよく相談を受けるのは、相続財産の「処分」ですので今回はその話をします。

 

民法921条では単純承認の効果を生じる法定単純承認行為が定められています。
相続放棄が理屈上はできなくなるのですね。
単純承認行為があると相続放棄の申述をしてもその効力が否定されます。

その中に相続財産の「処分」(1号)があります。

 

そこでの「処分」は、限定承認・放棄の前になされた処分のことを指すとされています。
ただし、放棄後の処分は、他の相続人等に対して損害賠償義務が発生し得ます。

 

もっとも、保存行為と一定の利用行為は法定単純承認事由から除外されます(1号但書)。

保存行為は、財産の保全-財産の現状を維持するのに必要な行為です。
期限の到来した債務の弁済等、財産全体からみて現状の維持と認める行為も含むとされます。
一定の利用行為とは、民法602条の期間を超えない賃貸借行為ですね。

勿論、管理行為も許されます。相続放棄者は、遺産を、新たな相続人あるいは相続財産管理人に引き渡すまで管理する義務を負います。


債権の弁済の受領についても保存行為でいいのでしょう。
相続財産の管理行為だからです。
しかし、回収金を自己の物として費消してしまえば法定単純承認事由です。


「処分」に該当するかどうかに、相続財産の経済的価値は関係あるでしょうか。

 

経済的に重要性を欠く(あるいは一般経済的価値のない、交換価価値を失った)物の形見分けのような処分は「処分」に該当しないとされています。

ただ、線引きが難しいので慎重に判断しなければなりません。

勿論、相続財産に一切手を触れないことが一番無難でなのは言うまでもありません。
一旦管理すると、管理責任も問われかねないですからね。

  

相続放棄を考えられている方は、まず専門家に相談してから物事を進めてください。

 

遺言、相続、遺留分等、相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。

 

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契約書は何通作成する必要があるのか【身近な法律知識】

広島市の弁護士仲田誠一です。
 

契約書(協議書、合意書等の名称でもなんでもかまいません。)は何通作成する必要があるのでしょうか?

実は、契約書の通数に法律上の決まりはありません。

そもそも、契約(合意)が有効かどうかには、契約書を作成したかどうかは直接関係ありません。

契約書などの書面がなくても、契約の成立は認められ得ます(書面による合意が要求される特別な行為も例外的ににございます)。

現に、訴訟においては、契約書がない合意の成立が争われることが多いです。

ただ、契約書を作成した方がいいのは勿論です。
契約の成立の証拠を残さないといけませんし、後日の紛争を防ぐためには取り決め内容を書面にしておかなければなりません。
書面がない合意は、他にそれを証明できる行為や物(FAXやメールのやり取りでも)がなければ、合意ないものと扱われます。

契約書を作成する際には、通常は、合意の当事者の数だけ作成し、各1通保管する方法をとることが多いですね。

契約書などの最後に「本書を2通作成し、甲乙各1通保管するものとする。」と言った文言が入っているのはそのことです。
各当事者が原本を1通保管したいのが通常ですからね。

勿論、当事者の数と契約書の作成数はイコールでなくても構いません。

例えば、破産事件で破産管財人弁護士として不動産を売却する際には、売買契約書の原本は1通作成し、買主にお渡しし、当方は写しを保管することはよくあります。
特に原本は必要ないですし、印紙税の節約にもなりますし。

逆に、相続における遺産分割協議書では、預金の払い戻しや登記など多数の手続を並行して行わざるを得ないケースの場合、同時に手続を進めるために当事者の数より多めの通数の遺産分割協議書を作成することもありますね。

このように、契約書(合意書、協議書等)は是非とも作成しなければなりませんが、その通数は特に決まりがあるわけではありません。
適宜必要な通数を作成されたらいいでしょう。

悩み事がございましたらなかた法律事務所にご相談を。

 

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賃貸物件の更新拒否の正当理由 [不動産]

広島市の弁護士仲田誠一です。

不動産問題のうち賃貸物件の更新拒否(立ち退き請求)のお話です。

借地借家法の定めから、家主からの賃貸借契約の更新拒否には正当な理由が必要です。

いったん人に貸すとなかなか返って来ないのですね。
 

弁護士は家主、借主の双方の立場に立ち得るので、どちらの味方をするわけではありません。
ただし、借家人保護の法制は、賃貸物件が溢れてきている現在では、修正が必要なような気もしております。
家賃保証会社やそれに加えての保証人の強制などの方が問題のような気がします。

勿論、悪質な立ち退き請求は現在でも存在しますのでそれは別問題です。
正さないといけません。

 

ところで正当理由には様々なものがありますが、簡単には認められませんね。
家主側の理由が弱い場合には立退料の支払いと併せて正当な理由が認められるケースもあります。

具体的な事情に応じてケースバーケースの判断がなされますので、似たような裁判例を探して見込みを立てるしかありません。
立退料の問題に収斂することも結果的に多いですね。

 

最近ご相談が多いのが建物の老朽化です。
耐震の問題で大家さんの関心も高いのではないでしょうか。

しかしながら、裁判例を見ると、単に老朽化したから建て直しをしたいということだけでは正当な理由が認めらない傾向のようです。
自家利用の必要性等の他の理由も要求されます。
もっとも、老朽化の程度の問題あるでしょう。

 

大家も老朽化したまま貸すのは事故があったときを考えると怖いですね。
一方で、賃料との兼ね合いで耐震化工事の費用を出すことが難しい例も多いはずです。
耐震化の問題が社会問題になっている中、老朽化による更新拒否は必ずしも家主側の身勝手な理由とは言えません。
裁判所の判断も今後徐々に変わっていかざるを得ないのではないでしょうか。

 

不動産のお悩み事がございましたらなかた法律事務所にご相談を。

 

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自己破産、個人再生と相続関係【借金問題】

弁護士の仲田誠一です。

債務整理のうち法的手続である自己破産、個人再生に関するお話です。

自己破産、個人再生の申立ての際には、実方の父母の相続関係を報告しないといけません。
父母が亡くなっている場合には、相続財産の有無や生前の居住形態の報告も求められます。

 

なぜかというと、未分割の相続財産は法定相続分に応じて財産になるからです(多いのが亡くなった父母名義の不動産)。
未分割遺産の報告漏れが多いため、相続の事実の有無、父母の不動産所有の事実の有無が確認されるのです。

 

自己破産においては、一定の額の未分割遺産があれば(不動産がある場合は直ちに)、管財事件になります。
相続分が破産財団に組み入れられ、破産管財人により換価処分されることになります。共同相続人に購入を求めることが多いでしょうか。
遺産不動産の価値がほとんどなく換価も難しい物件である、あるいは実質的に分割がなされていて登記だけされていないだけだった等の場合は、例外的に管財事件として扱わないで同時廃止で済むケースもあります。
ただし、ケースバイケースの判断がなされます。
例外的な扱いを認めてもらうためには、少なくとも申立てにあたって適切な説明や事前の準備が必要です。

個人再生においては、仮に未分割遺産があったとしても換価処分されるわけではありません。
どのくらい清算価値に載せるべきかの問題になります。
ただ、相続分の評価額が大きいと、清算価値が大きくなり、最低弁済額が大きくなり、場合によっては大きくなりすぎて個人再生ができないということもあり得ます(清算価値保障原則)。

なお、既に遺産分割が完了しているケースでも、破産法上問題が生じないという説明が必要なケースもあります。
申立てに近い時期の不利な遺産分割などは、場合によっては否認対象となりますので。
否認対象となり得る行為は個人再生でも問題になります。否認されるべき金額を清算価値に計上することになります。
遺産分割に至った事情をきちんと説明しなければなりません。

 

破産管財人や個人再生委員をやっていると、自己破産や個人民事再生の申立てにおいて未分割相続財産の存在の事実の把握あるいは直前の不利な遺産分割の事実の把握が漏れていたというケースが偶に見受けられます。
自己破産や個人再生を依頼される場合は、相続関係のこともきちんと予め話をしておかないといけません。

また、特に田舎で多いのかもしれませんが、父母の相続が起きて、とりあえず父あるいは母の相続まで遺産分割を待っておこうと放置しているケースが少なくありません。
共同相続人の1人が債務整理をすることになると問題になるというリスクは承知していただかなければなりません。
相続手続を後回しにすることはお勧めいたしません。

 

債務整理(任意整理、個人再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

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株式会社の歴史など [企業法務]

広島市の弁護士仲田誠一です。

企業法務のお話です。
 

 

株式会社って誰のものでしょうか?
答えは簡単です。株主のものです。

 
日本的な感覚では、従業員も会社の一員のようなイメージですね。
現在の株式会社制度は輸入物なのです。そのため、江戸時代までの日本的な感覚とは違うのですね。
あくまでも制度の問題ですが。

株式会社制度の原型は、大航海時代まで遡ります。

アジアとの交易は非常に儲かるが、航海の沈没や海賊などに襲われる危険も非常に高かった。無事に帰港できるかどうかギャンブルですね。

 

単独で出資して船を出すのは危険です。そのため、教会や貴族が出資し合い(株主)、船長を選んで(取締役)、奴隷を使って(従業員)、交易し、沈没等したら教会・貴族が諦める(株主有限責任)、帰還できれば利益を教会・貴族に分配する(配当、残余財産の分配)という仕組みができたのですね。
同時に出資者への会計報告のために複式簿記が開発されました。

 

そのためなのでしょうか、法律上、株式会社は株主のもので、従業員は法律上の構成員ですらありません。
合同会社など会社法でも「社員」は存在しますが、それは出資者を指します。

 

従業員は、労働者保護法制による修正により大航海時代の奴隷的立場ではなくなりましたが、法的には構成員ではないのです。

 

従業員は、特に中小企業にとって生命線と言っていいほど大切なのは事実です。
日本の社会通念でしょう。
経営者の中には、社会のため、従業員のためにと、経営をされている方も多くいらっしゃいます。
法律は西洋から来たため日本人の意識とはギャップがありますね。

 

なお、従業員に自社株を持たせると従業員の会社の構成員になりますが、経営戦略上、あるいは事業承継上、お薦めできません。
従業員の士気向上は他の人事施策に任せましょう。

 

顧問弁護士、企業法務はなかた法律事務所にご相談を。

 

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賃料不払いによる賃貸物件の明渡請求 [不動産]

広島市の弁護士仲田誠一です。

不動産問題です。収益物件をお持ちの方が避けて通れない明渡請求のお話です。

割合、賃貸不動産の明渡しの請求を扱うことがあります(勿論、明渡しを請求された側の案件も扱います)。


不動産の明渡し請求は賃料の不払い等の賃貸借契約の解除に伴うケースが典型的ですね。

 

1 内容証明による解除通知

2 訴訟提起

3 強制執行
 

の順で進めていきます。


強制執行までに和解をして退去することも多いです。
出ていく方も都合があり、貸主側も早期解決を図るメリットがあり、円満に解決するメリットが双方にあるからです。

ただ、借家人の態度によっては、強制執行まで進むことも珍しくはありません。
連帯保証人との関係で訴訟を提起することもあります。

 

明渡しのご相談の際には、明渡請求に関する費用を聞かれることも多いです。

勿論、弁護士費用は契約で確定できます。

しかし、執行費用が読めません。

執行費用は、実際に執行官が業者を物件に連れて行って見積ります。物件の広さ、物の多さにより費用が異なります。
物件の状況によって幅があるのが現実で、おおよその金額しかお話しすることができません。

ワンルームで荷物も少なかったケースで一番少なかったのは20万円くらいだったでしょうか、
ファミリータイプで荷物が多いときには100万円を超えるということもありました。
一応ワンルームでは50万円、ファミリータイプでは100万円は覚悟しておいてくださいと予めお話いたします。
勿論それよりも小さい金額になることは珍しくはないですが。

最終的に明渡しの強制執行まで行くとかなりの費用が掛かることは現実です。
しかし、
家賃滞納者に居座られてしまうと家賃相当損害金の損失は拡大していきます。

どうせコストがかかるのであれば、費用をかけてでも早めに対処をした方が得策です。

また、早めの法的手続が、早期の和解や任意退去につながる可能性もあります。

動き出しは早い方がいいですね。

 

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