最近のエントリー
カテゴリ
- 借金問題 (85)
- 相続問題 (57)
- お知らせ (3)
- 離婚問題 (31)
- 仲田 誠一 (238)
- 里村文香
- 桑原 亮
- 詐欺問題
- 交通事故 (4)
- 労働問題
- 不動産問題 (16)
- 身近な法律知識 (41)
- 企業法務 (70)
- 消費者問題 (11)
- 閑話休題 (6)
月別 アーカイブ
- 2022年6月 (1)
- 2022年2月 (1)
- 2022年1月 (5)
- 2021年9月 (1)
- 2020年6月 (1)
- 2020年5月 (4)
- 2019年11月 (2)
- 2019年10月 (8)
- 2019年9月 (10)
- 2019年8月 (8)
- 2019年7月 (11)
- 2019年6月 (11)
- 2019年5月 (11)
- 2019年4月 (15)
- 2019年3月 (25)
- 2019年2月 (20)
- 2019年1月 (24)
- 2018年12月 (25)
- 2018年11月 (18)
- 2018年2月 (2)
- 2018年1月 (3)
- 2016年8月 (1)
- 2016年5月 (1)
- 2016年4月 (2)
- 2016年3月 (3)
- 2016年2月 (1)
- 2016年1月 (3)
- 2015年12月 (4)
- 2015年11月 (6)
- 2015年10月 (6)
- 2014年5月 (1)
- 2014年4月 (1)
- 2014年3月 (1)
- 2014年2月 (1)
- 2014年1月 (1)
- 2011年2月 (9)
- 2011年1月 (21)
- 2010年12月 (25)
- 2009年9月 (1)
HOME > 旧コラム > アーカイブ > 企業法務: 2016年3月
旧コラム 企業法務: 2016年3月
現在のコラムはこちらから
個人の所得税と法人の法人税の違い [企業法務]
広島市の弁護士仲田誠一です。
所得税と法人税の違いをお話いたします。
個人と法人とは税金の仕組みが全く違います。
会社経営をされている方の節税や事業承継対策もそこら辺がヒントになることが多いです。
当職は昨年度から広島大学大学院法務研究科(いわゆるロースクール)にて税法の講義を担当しているのですが、学生に対する講義もそのような話からスタートしました。
税法はかなり細かいのです。
不正確になることを承知で、ざっくりとしたお話をしましょう。
個人の所得税と法人税の大きな違いは2点です。
まず、個人の所得税では、所得が10種類に分けられて、それぞれ課税の仕方が異なります。
これに対して、法人税は一律です。
所得税には税金が安い所得の種類があります。その代表例は、退職所得です。
法人から個人への財産移転を考える際にはその点を考える必要があります。
次に、所得税は超過累進課税であるのに対し、法人税は一律税率です。
個人の所得税は、所得を分散するだけで1人あたりの所得が減るため適用税率が下がり、節税になります。
会社で税金を払うか、個人で税金を払うかの問題もあります。
これらの点を一番考えないといけないのが事業承継の場面です。
事業承継対策をするには株式承継は勿論、遺留分対策、相続税準備のために後継者の資産育成も必要でしょう。先代の遺産の維持・形成との兼ね合いも問題となります。
どうしても、会社から個人(先代あるいは後継者)への所得移転の場面が出てくるのです。
現オーナーの資産形成を図るべき場合もあるでしょうし、承継に備えて後継者の資産育成を図るべき場合もあるでしょう。
なお、会社の内部留保を蓄積する一辺倒は、税金面、事業承継面では愚策です。
会社⇒先代あるいは後継者への資産移転は、できれば安い所得分類になるよう、できれば所得を分散するよう、中長期計画を立てて、適切なタックスプランニングを行うことが得策です。
もちろん、具体的にどのような対策を行うかは会社や個人の状況によって異なります。
オーダーメイドでプランを立てないといけません。
なお、事業承継は、税金のことだけを考えてはいけません。
タイミング、緊急性等を加味して税金がかかっても行うべき手段は行うという心構えが必要です。
税金対策に終始するのではなく、適切なプランニングが大事ということです。
今回は、税制面のお話でしたが、会社の承継は、経営資源であるヒト・モノ・カネ・ジョウホウの承継です。
カネのことばかり考えても承継は成功しません。
きちんとした計画を立てて進めるべきです。事業承継税制を利用したら終わりという話ではありません。
ちなみに、税法にはちゃんと同族会社の行為計算否認等の否認規定が用意されています。
後に否認されるような節税対策を行うことはコストを逆に上げることになりますのでご注意ください。
事業承継は、法律面でのサポートは勿論、税制の統一的理解の下で進めなければいけないということですね。
顧問弁護士のご用命は是非なかた法律事務所に。
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602
所得税と法人税の違いをお話いたします。
個人と法人とは税金の仕組みが全く違います。
会社経営をされている方の節税や事業承継対策もそこら辺がヒントになることが多いです。
当職は昨年度から広島大学大学院法務研究科(いわゆるロースクール)にて税法の講義を担当しているのですが、学生に対する講義もそのような話からスタートしました。
税法はかなり細かいのです。
不正確になることを承知で、ざっくりとしたお話をしましょう。
個人の所得税と法人税の大きな違いは2点です。
まず、個人の所得税では、所得が10種類に分けられて、それぞれ課税の仕方が異なります。
これに対して、法人税は一律です。
所得税には税金が安い所得の種類があります。その代表例は、退職所得です。
法人から個人への財産移転を考える際にはその点を考える必要があります。
次に、所得税は超過累進課税であるのに対し、法人税は一律税率です。
個人の所得税は、所得を分散するだけで1人あたりの所得が減るため適用税率が下がり、節税になります。
会社で税金を払うか、個人で税金を払うかの問題もあります。
これらの点を一番考えないといけないのが事業承継の場面です。
事業承継対策をするには株式承継は勿論、遺留分対策、相続税準備のために後継者の資産育成も必要でしょう。先代の遺産の維持・形成との兼ね合いも問題となります。
どうしても、会社から個人(先代あるいは後継者)への所得移転の場面が出てくるのです。
現オーナーの資産形成を図るべき場合もあるでしょうし、承継に備えて後継者の資産育成を図るべき場合もあるでしょう。
なお、会社の内部留保を蓄積する一辺倒は、税金面、事業承継面では愚策です。
会社⇒先代あるいは後継者への資産移転は、できれば安い所得分類になるよう、できれば所得を分散するよう、中長期計画を立てて、適切なタックスプランニングを行うことが得策です。
もちろん、具体的にどのような対策を行うかは会社や個人の状況によって異なります。
オーダーメイドでプランを立てないといけません。
なお、事業承継は、税金のことだけを考えてはいけません。
タイミング、緊急性等を加味して税金がかかっても行うべき手段は行うという心構えが必要です。
税金対策に終始するのではなく、適切なプランニングが大事ということです。
今回は、税制面のお話でしたが、会社の承継は、経営資源であるヒト・モノ・カネ・ジョウホウの承継です。
カネのことばかり考えても承継は成功しません。
きちんとした計画を立てて進めるべきです。事業承継税制を利用したら終わりという話ではありません。
ちなみに、税法にはちゃんと同族会社の行為計算否認等の否認規定が用意されています。
後に否認されるような節税対策を行うことはコストを逆に上げることになりますのでご注意ください。
事業承継は、法律面でのサポートは勿論、税制の統一的理解の下で進めなければいけないということですね。
顧問弁護士のご用命は是非なかた法律事務所に。
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602
https://www.nakata-law.com/smart/
(なかた法律事務所) 2016年3月10日 15:49
1