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旧コラム 離婚問題: 2016年5月

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婚姻費用における未成熟子とは [離婚問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

婚姻費用における未成熟子のお話です。


離婚の際に問題となる婚姻費用とは、「夫婦とその間の未成熟子が通常の婚姻共同生活を営む上で必要な一切の費用」です。
収入が多い方の配偶者は、離婚するまでは配偶者と子供の生活費も一定額負担しないといけません。
婚姻費用分担請求は、離婚調停と同時に婚姻費用にかかる調停を申し立てることが多いです。


なお、離婚したら、養育費だけの問題となります。

婚までは配偶者と子の生活費補填、離婚後は子だけの生活費補填となり、通常は、
婚姻費用>養育費
となります。

ところで、婚姻費用の分担の対象となる未成熟子とは、「経済的に自ら独立して自己の生活費を獲得すべき時期の前段階にあって未だ社会的に独立人として期待されていない年齢にある子」と表現されるようです。

未成年ではないのです。未成熟子であることにご注意ください。

どのような場合に成年の子が未成熟子として婚姻費用分担の問題、すなわち離婚の問題として解決されるのでしょうか。よく問題となるのが、成年に達した大学生、大学院生、留学生の学費や生活費、仕送り費用をどう負担していくのかという場合です。


婚姻費用あるいは養育費の終期、婚姻費用分担あるいは養育費に関する算定表との関係で上乗せがどこまでできるのかといったような問題として争いになります。

基本的には成人であれば婚姻費用とは関係なくなります(夫婦間の問題ではなく、子と親の扶養義務の話になります)。

現在学生である子は成年していても未成熟子とみられる可能性が高いと言えましょう。
しかし、明確な年齢基準はなく、また学費等の負担については進学時の事情等も考慮されます。
「この場合はこうです」と簡単に説明できることではありません。ケースバイケースの判断になってしまいます。

なお、子がまだ小さい場合の婚姻費用あるいは養育費の終期という点では、審判では基本的には20歳までです。大学進学が予定されていると明らかな場合等には例外的に22歳ということもありますが、あくまでも例外だと思ってください。
大学進学費用等は、特別の費用として将来また決着をつけないといけない話になるでしょう。
勿論、合意であればどのようにでも決められます。

例えば、子2人で一人が成年の大学生である場合は婚姻費用をどう決めるのでしょうか。

権利者である配偶者と未成年の子、成人の未成熟子(大学生等)、義務者である配偶者の3グループに分けて、基礎収入、生活指数等を計算して、あるべき婚姻費用を考えることが経験上多いです。
権利者である配偶者、未成年の子、成年の未成熟子3人と義務者である配偶者の2グループには分けて考えない傾向ですね。
成年の未成熟子については、必要生活等を計算し、実際の学費の負担状況を見ながら、婚姻費用金額に反映させる(あるいはそれ以上学費を負担しているから婚姻費用には反映しない)とするケースが多いと思います。


算定表を見れば済む典型例なら別ですが、そうではない婚姻費用・養育費を計算するのはけっこう難しいことです。


離婚、婚姻費用、養育費、財産分与、慰謝料請求等、離婚問題のサポートはなかた法律事務所にご用命を。


広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602

 

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