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旧コラム 相続問題: 2018年11月

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お墓の話 [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

相続につきもののお墓のお話をします。

先日、広島県下の消費生活相談員の方々を対象として、葬儀とお墓をテーマとした研修を担当いたしました。

 

トラブル事例などの説明をしたのですが、今回は軽いお話にとどめてお話します。

 

「お墓を買う」っていうことは法的にどういうことになるのでしょうか?
 

墓石については、その所有権を取得するということになります。
勿論、所有権といっても、祭祀に供されると単純な物の所有権と違う扱いになります。


一方、土地については、所有権をするケースはほとんどないと考えていいです。
通常は、一定の区画の墓地使用権を取得することになります。
契約書や規約などを見るとそのようなことが書いてあるはずです。
墓地使用権が所有権ではなく債権的権利なので、そこから様々な法的問題が出てきます。


お墓は誰のものなのでしょうか?
 

お墓は親族みんなのものではありません。
また、お墓に関する権利は相続財産として遺産分割の対象とならないのが原則です。
祭祀の主宰者(祭祀の承継者)が、墓石の所有者、墓地使用権の管理者になると一般に理解されています。

お墓に関する責任は祭祀の主宰者にありますし、分骨や納骨など、何をするにも祭祀の主宰者の承諾が必要となってきます。
祭祀の主宰者は、
①被相続人の指定(遺言でなくてもいい)、
②慣習、
③家庭裁判所の判断
の順で決まります。
遺言を作成する場合には祭祀の承継者を決めていることが多いですね。
慣習については長男が祭祀の承継者になるという慣習はないとされています。
どうしても決めないといけないときは、家庭裁判所の審判で決めてもらいます。
その際には、葬儀の喪主や寺院あるいは霊園に登録している管理者が祭祀の主宰者であるとされる例が多いでしょう。

 

近時、相続人が遠方にいる、あるいは相続人がいないということから、「墓じまい」のケースも増えていますね。
こちらも祭祀の主宰者が責任をもって行うことになります。

また、墓地の管理者側では、相続人が行方不明のお墓の処分も問題となっています。

 

墓地の法律関係は難しい問題が含まれますので、弁護士にご相談の上判断なされた方がいいと思います。

 

遺言、遺産分割、相続放棄、遺留分等、相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

 

https://www.nakata-law.com/

 

https://www.nakata-law.com/smart/

 


相続放棄を弁護士に依頼する例など [相続問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

今回は相続問題のうち相続放棄のお話です。

 

遺産分割や遺留分のご相談のほか、相続放棄のご相談を受けることがよくあります。
相続放棄をするべきかどうか、する場合はどういう手続をしたらいいかなどです。

 

相続放棄の手続自体は、戸籍の取得等が面倒な場合を除いて、基本的にはご本人でも十分できる手続です。まずはそこをご説明することにしております。

しかし、それでも弁護士に手続代理を依頼される方はよくいらっしゃいます。

 

次のような場合です。
 

1 面倒な手続を弁護士に投げること自体にメリットを感じられる場合
弁護士に依頼すれば戸籍等の取得から手続全般を投げることができますね。

 

2 ①配偶者・子②直系尊属③兄弟姉妹(甥姪)など、何段階かの相続放棄をする必要があり、弁護士が遠方の他の親族等から委任状を取りまとめて、段階ごとにスケジュール管理をして順次手続を進める必要がある場合
相続人は、配偶者と上述の①~③の順番で親族が該当します。
第2順位の相続人が相続放棄するのは、第1順位の相続放棄手続が終わってからになります。第3順位の相続人は第2順位の相続人の相続放棄が終わってからですね。
弁護士に一括で投げればそこら辺を管理して進めてくれます。
また、疎遠な親族への相続放棄への協力依頼を弁護士を通じて行いたいという場合もありますね。

 

3 相続債権者への対応(連絡窓口や相続放棄の報告)を弁護士に投げたい場合
債権者の対応は弁護士に投げたいですね。

 

4 相続放棄前後の遺品・遺産の扱いなどのアドバイスを受けながら進めたい場合
相続放棄をしても、事実上、遺品の整理や片付けなど後処理を行わないといけないことが多いです。
思わぬ落とし穴があるかもしれません。
反対に、相続放棄をしても許容される行為(単純承認行為とならない行為)もあります。
弁護士にその都度相談できたら安心ですね。

 

5 相続放棄後の共有関係などの法律問題も合わせて相談する必要がある場合
相続放棄するにはその後の法律関係も考えて決断をしないといけません。
特に亡くなった方が不動産の共有持分を持っているというケースが多いでしょうか。
相続放棄をしても連帯保証関係が残ってしまう例もありますね。

 

などですね。

 

こう見ていくと、弁護士に依頼した方がいいケースはけっこうあるのではないでしょうか。
けっこう面倒な場合が多いので、相続放棄に絡む問題をすべて一括して依頼することは合理的なケースも多いかと思います。

 

なお、弁護士に依頼しても、ご本人が家庭裁判所から相続放棄申述受理後に送られてくる確認書に記入等して返送する手続は必要になります。

 

遺言、相続、遺留分等、相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

 

https://www.nakata-law.com/

 

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