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旧コラム 借金問題: 2018年11月

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会社経営者、個人事業者の自己破産 [借金問題]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理のお話です。

会社経営者、個人事業主が自己破産をする場合の裁判所手続のことをお話します。

広島地方裁判所(少なくとも本庁、支部もほぼ同様)では、
5年以内に会社経営者であった方、
あるいは5年以内に個人事業主であった方は、
それだけで破産管財事件になる扱いです。

そのため、申立てにあたっては、予納金(20万円~)の準備も考えないといけませんね。

 

会社経営者というのは、基本的には会社代表者の場合です。
連帯保証をしているのが通常ですので、法人と同時に自己破産の申立てをすることが多いでしょう。

その場合には同じ破産管財人が付き、手続も並行して行われます。

なお、経営にタッチしていない単なる取締役の場合はそれだけでは破産管財事件にはならないです。

代表者の個人破産のケースでは、法人破産の申立ても事実上勧奨されます。

理屈上は法人破産を申し立てる必要はないのだろうと思います。
しかし、裁判所は個人と法人の財産の混同をチェックするためでしょうか(個人の破産管財人は法人の財産について調査権がないです)、場合によってはかなり強く求められます。

法人破産を申し立てない理由は、法人破産の予納金を納めるお金がない、あるいは、帳簿類が散逸しており整理できない、というものが多いのではないでしょうか。

私の経験では、予納金は形だけでいいから、あるいは簡単な申立書だけでいいから、と言われて、やむなく法人の申立てもしたことがあります。

 

一方、確定申告をしている個人事業主であっても、破産管財事件としての扱いにならないケースもあります。

例えば、仕入債務も売掛債権もなく設備もないといったように仕事が事業規模とは言えない場合や、所謂「一人親方」的な労務の提供を特定の取引先に提供し請負報酬を貰う形で稼働しており実質給与所得者と変わらない場合などです。


管財事件となる事業主かどうかの判断は、ケースバイケースの問題です。
裁判所に対する適切な説明ができれば同時廃止事件で終わることも可能です。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

 

https://www.nakata-law.com/

 

https://www.nakata-law.com/smart/


携帯電話、スマートフォンと自己破産、民事再生 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

債務整理のうち、任意整理は問題ないのですが、法的手続である自己破産、個人再生では、携帯電話、スマートフォンの本体料金の分割払いの債務を債権者として扱うかの問題があります。

自己破産、個人再生のご相談時にもよく「携帯はそのまま使えるか。」との質問があります。

 

理論上、自己破産、個人再生では特定の債務を手続から外すことは許されていません。
債権者であれば、受任通知を出し、債権者一覧表に載せ、破産債権者、再生債権者として扱うことになります。

勿論、月々の利用代金だけ支払っている場合には、債権者として挙げる必要がなく、受任通知も出しません。

機種代を割賦で支払っているケースが多いですね。
純理論上は、機種代の購入代金支払債務は、破産債権、再生債権に該当するというということになるでしょう。
しかし、手続上、携帯会社を債権者として扱うとなると、利用ができなくなるため困りますね。

 

実務上は、携帯料金の支払遅延がない限り、破産手続、個人再生手続で携帯電話会社を債権者として扱わないことが多いと思います。
法律上扱わないでいいとなっているわけではないですので微妙な問題であることは確かですが、月額料金が不相当に多くない限り、裁判所からも問題視されたこともありません。
弁護士から受任通知も出しませんので、使用の継続ができる可能性は十分にあります。


なお、使用料が高いと突っ込まれる可能性があります。携帯1台で15,000円を超えているような場合には突っ込まれる傾向があるでしょうか。
金額が高いと利用明細の提出などが要請されます。
その場合は対応に困りますね。
そのため、申立前には料金をできるだけ下げるようお願いしています。アプリの利用やお財布ケータイなどのクレジット利用は止めてもらいます。

携帯とセットのクレジットカードの利用がある場合もありますね。Dカードなどですね。
クレジット債権は破産債権、再生債権扱いです。
ただ、その場合には、携帯の利用は継続できているケースがあります。一概に携帯が使えなくなるというわけではありません。

携帯料金がクレジットカード払いになっている例はよくあります。その場合には、支払方法の変更をしていただかないといけないことは勿論です。

自己破産、個人再生の際の携帯電話、スマートフォンの扱いについては、ケースバイケースでお答えが変わりますので、お早めにご相談ください。

 

債務整理(任意整理、個人再生、自己破産など)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

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個人再生における債権者の反対 【借金問題】

広島市の弁護士仲田誠一です。

債務整理のうち個人再生のお話です。

当職は、広島では相対的に、個人再生を多く申し立てていると思います。
個人再生には、個人再生委員としても関わっております。

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を利用したい場合は勿論ですが、免責不許可事由の度合いが大きい場合も個人再生の選択を検討しますね。
破産の資格制限にひっかかるケースもありますね。
中には、相談者がいくらかの返済を希望されて個人再生の選択をする場合もあります。

個人再生は、免責不許可事由がない、資格制限がない、住宅ローンを支払いながら住宅を維持することが可能などの特徴があります。
一方で、自己破産にはない手続要件もあります。

個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生があります。

小規模個人再生は、頭数あるいは債権額の過半数の債権者が反対した場合には再生計画が認可されません。
要するに手続きが無駄になります。
その場合、改めて給与所得者等再生か自己破産を申し立てることになります。
当事務所はそこまでお付き合いをしています。

小規模個人再生と異なり、給与所得者等再生は、再生計画に認可に債権者の書面決議は必要ありません。
しかし、家族構成によって異なりますが、多くの場合、給与所得者等再生の方が小規模個人再生よりも最低弁済額が大きくなります。
また、給与所得者等再生は、債権者の同意が必要ない分、要件が少し厳しくなり、裁判所も厳しく吟味をしてきます。
そこで、個人再生を考える場合でも、小規模個人再生の選択を優先して考えるのが一般的です。

ただ、小規模個人再生の場合には、債権者の構成を気にしないといけませんね。
1社のみの債権者、あるいは1社のみが飛びぬけて大きい債権額である場合など、仮に当該債権者に反対をされたら即再生計画が認可されないようなケースでは、給与所得者等再生の選択も検討せざるを得ません。
もっとも、反対された時はその時だとということで、小規模個人再生のまま申立てることが多いでしょうか。

少し前までは、公的な金融機関以外、よっぽどのことがない限り反対はしませんでした。
反対して自己破産されるよりは民事再生で少しでも回収した方が経済的合理性があることから理解ができます。
債権者が1社だけであっても、小規模個人再生で解決できたこともあります。

ところが、最近ちらほら反対する債権者が増えてきたような気がします。
勿論、まだ大多数の債権者はよほどのことがない限り反対はしてきません。
反対する債権者の意図がわかりません。自己破産されるよりは個人再生の方がいくらかは回収できるはずです。

直近では、債権者の反対によりせっかく個人再生を申し立てたのに再生計画が不認可になり、すぐに自己破産に切り替えて申立てをし直し、無事免責決定を得た事例もありました。
その場合は、免責不許可事由の点で個人再生を選んだ場合でも、債権者の反対により個人再生ができなかったという事情があるが故に、後の自己破産は割合スムーズに進む印象があります。

いずれにせよ、小規模個人再生を申し立てるときは、債権者の反対の可能性をこれまで以上に考慮に入れないといけなくなりました。

債務整理(自己破産、民事再生、任意整理)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

  

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自己破産における管財基準 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。


債務整理のうち、自己破産のお話です。

 

個人破産手続には、管財事件と同時廃止事件があります。
法人破産は、すべて管財事件となります。

 

同時廃止事件は清算すべき財産がないため破産手続開始と同時に手続廃止となるもので、裁判所に納める費用が低額です(郵券と官報費用ぐらいです。通常1万数千円です)。
裁判所に出頭するのも通常は免責審尋期日への出頭1度で済みます(広島本庁)。

管財事件は、裁判所から破産管財人が選任される手続で、費用が多額になります(予納金が20万から30万円となるケースが多いです)。
勿論、管財事件は説明等のために破産管財人弁護士の事務所に何度か行かないといけませんし、裁判所へ出頭する回数が増えたりする等、手続の手間も増えます。

裁判所には管財事件と同時廃止事件の振り分け基準があります。
破産法上、管財事件が手続の原則なのですね。
基準に適合する場合には同時廃止手続で進めるという理屈です。

 

広島本庁では最近、両者の振り分け基準が変わりました。
例えば、財産の点ですが、従前は全体で60万円が基準となっていました。
現在では、現金・預貯金50万円、個別の項目の財産が各20万円に基準に変わりました。

それを超えると管財事件になります。
金額が下がり、かつ各財産の項目毎に判断をする必要が生じます。

なお、退職金は、退職時期が差し迫っている例外的な場合でない限り、自己都合で辞めたと仮定した場合の退職金支給見込額の8分の1が財産額として評価されます。
保険の解約返戻金も20万円の基準によくひっかかります。契約者貸付を受けている場合にはそれを解約返戻金から借入額を控除した金額です。
自動車も引っかかることがあるかもしれませんね。

勿論、管財事件か同時廃止事件かは財産的な基準だけで決められるわけではありません。

5年以内に会社の代表者(あるいはそれに準じる経営者)あるいは個人事業主であった場合にも原則として管財事件になります。法人破産の場合は通常連帯保証債務を負っている代表者も破産をします。その場合には同じ破産管財人により同時に手続が進められます。
例外的に、いわゆる一人親方的な、設備等を使わずに決まった取引先から報酬を得ている場合には、実質的に給与所得者と変わらないということで管財事件にならない扱いもあります。

また、免責不許可事由の程度が大きい場合(破産管財人には免責に関する意見を出す役割もあります。)や、否認の対象となる行為が悪質あるいは金額が大きい場合には、管財事件とされる場合があります。

 

中には、事前に問題のない範囲で資産を現金化する、有用の資に充てる等、申立て方によって管財事件を回避することもできるケースもあります(もちろん裁判所に認められる方法の限りです。明らかに破産法に反する行為はできません)。
また、管財事件が見込まれる場合には、費用を用意する段取りも考えないといけません。

自己破産をお考えになる場合には、同時廃止事件になるのか管財事件になるのか、裁判所の費用がどれだけかかるかを早めにご相談いただだき、アドバイスに沿った準備をしてください。

 

債務整理(民事再生、自己破産、任意整理等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

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会社の債務整理で考えること [借金問題]

広島県広島市の弁護士仲田誠一です。

株式会社、有限会社をはじめとする法人の債務整理のお話をさせていただきます。


例年、年末にかけてそういった相談が多いように思います。

 

世の中に存在する事業をなくしてしまうのは、当職としても偲びないところです。

そこで、当職は、まずは、事業継続の可能性あるいは
MAによる承継を考えます。

 
資金繰りの問題だけであれば資金繰りの手当てだけできればいいわけです。

金融債務の返済をストップすれば資金繰りが回るのであれば、金融機関にリスケをお願いし、その中で、経営改善を図ることを考えます。


資金繰りが回るとは、最低、金融機関への利息支払いのみで事業が継続できるだけの資金繰りの目途が立つかです(債務過多が主な経営不振の原因の場合)。

事業計画を出せば金融機関も無下に会社を潰しません。
当職は、認定経営革新等支援機関でもありますので、そこら辺のお手伝いもしております。


なお、単純に資産を切り売りして債務を圧縮する、あるいは経費を削減するための事業所の閉鎖は危ないと考えております。
事業継続があっての企業再生です。収益力が大事です。

遊休資産の売却や完全に不採算な営業所や事業所の閉鎖は勿論するべきですが、安易な事業用資産の売却や営業の縮小により、事業継続を危うくする資産の切り売りをして破産の道へ辿った例を破産管財人として見てきております。

 

勿論、経営者の覚悟が必要な話です。
仮に、経営者に気力が残っていないのであれば、
MAの道も検討します。
従業員さんを守るために考える経営者の方も多いです。

ただし、売却金で債務を完済できるのは稀ですので、適正価格での売却が可能か慎重に検討することになります。
債務が残れば、後の破産手続にてM&A取引の妥当性を説明しないといけません。

一方、事業継続の見込みの見極めを行っった結果、継続の見込みが立たない、今後さらに状況を悪化させていくだけであるという場合には早めの法的整理をお勧めしています。

経営者様は、従業員さん、取引先等の利害関係人のことを慮り、なかなか決断ができないものです。責任がありますからね。
そのため、苦しい中で何年も何十年も頑張って来られてきた経営者の方をたくさん見てきました。
ご自身の役員報酬もほとんど取れずに長年頑張って来られたような非常に気の毒なケースもございます。

早期に整理をするという決断も大事な経営判断です。

ご自身、ご家族の生活の再建も早めに考えないといけません。

ご決断をしていただければ、微力ながら、できるだけのサポートをさせていただきます。

まずは、事業継続(企業再生)の可能性も含めて、ご相談いただければと思います。

当職にご相談に来られる際は、既に破産しか途がないという段階の会社さんが多いです。ぜひ、早めにご相談くださればと思います。

 

事業継続の見込みが立たないということになると、自己破産か民事再生を選択することになるでしょう。

法人の法的債務整理には、事前の準備と整理が必要です。

従業員さんのこと、取引先との関係のこと、在庫のこと、資産処分のこと、賃貸物件のこと、売掛金の回収のこと等々、慎重に進めなければなりません。
破産等に絡めて事業譲渡等を行うこともあります。

法人破産には様々な費用もかかるため資金繰りの管理、事業閉鎖のタイミングの見極めも必要ですね。


法人破産は段取りが大事です。
弁護士と相談しながら準備をなさってください。

当職も、できるだけ早く受任をして、会社のお金の管理や資産整理から弁護士が携わることを心がけています。


会社の継続を諦める前に、あるいは諦めそうになったらすぐに、ご相談してください。

 

借金整理、民事再生、自己破産のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

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