広島県広島市の弁護士仲田誠一です。
今回の相続問題コラムは、弁護士に依頼した場合の相続放棄の流れの説明をします。
1 弁護士受任後の準備作業
まずは、戸籍、住民票除票等必要書類の準備をします。
弁護士が取ってもいいですが、依頼者の方がすぐにとれるものは取得に協力していただいた方が早く済みます。
同時に、この段階で、 相続放棄を前提として、今後の後始末の仕方について確認をしておきます。
やってはいけないこと、やってもいいこと、やらざるを得ないことをどういう処理で済ませるか段取りをしておくのですね。
これが大事です。
また、相続放棄申述手続と並行して債権者に対する対応をしなければなりません。
対応の仕方は債権者からの督促の有無、度合いによってケースバイケースで判断します。
督促等が来ていない場合には、相続放棄手続が終わってから債権者に通知する(通常は戸籍等の資料の写しも添付して)ケースもあります。
債権者から督促の連絡などが来るような状況でしたら、相続放棄をする前に弁護士から通知をしておいて、手続が終わったら改めて通知をするケースもあります。
最初からすべての債権者が判明していないケースも多く、その場合には判明するごとに弁護士から債権者に対して通知をしていきます。
2 相続放棄申述書の提出
準備が終わりましたら、相続放棄申述書を委任状及び必要書類と共に家庭裁判所に提出します。
後述しますが、委任状に押印していただいた印鑑は忘れないようにしてください。
管轄裁判所は被相続人の最終住所地を管轄する家庭裁判所になります。
遠方の場合には郵送にて提出します(最近依頼を受けた例では熊本や秋田がありました)。
3 家庭裁判所からの照会(確認)の依頼が届く
家庭裁判所が必要書類等の確認をした後、放棄をする方宛に、照会(確認)の手紙が届きます。
家庭裁判所によって、届かない場合もありますし、書式も異なるようです。
申立書に記載した「相続を知った日」などの質問事項に回答等を記入し、弁護士への委任状に押印した印鑑にて押印して、家庭裁判所に送り返していただきます。
これで相続放棄申述受理が終了します。
4 相続放棄申述処理証明書の取得、債権者への通知
相続放棄申述手続が終わると(裁判所から弁護士宛に書類が来ます)、相続放棄申述受理証明書を取得し、債権者に相続放棄をした旨を伝えます。
5 次順位の相続放棄申述書提出
次順位(子→直系尊属→兄弟姉妹の順番)の相続放棄申述を依頼されているときは、先順位の相続人の相続放棄が終わり次第、速やかに次順位の方の相続放棄申述書を提出し、最後の相続人まで相続放棄を順次進めていきます。
実際には先に皆様から必要書類をもらっておいて、弁護士が管理しつつ順次書類を提出していくことが通常ですね。
最後まで終わった際には、改めて債権者に通知をします。
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602