広島県広島市の弁護士仲田誠一です。
今回の企業法務コラムは、契約トラブル防止のエッセンスその1をお話します。
契約トラブルで多いのは、代金・報酬金額を巡るもの(買主・発注者・委託者の契約に基づく責任)、瑕疵・債務不履行(売主・請負人・受託者)を巡るものです。
いずれも、当事者双方で契約内容に関する認識の食い違いがある場合です(意図的かどうかは別として)。
代金が曖昧なままで仕事が進んでいる場合
仕様変更、追加工事について代金発生の有無や金額を決めないで仕事が進んでいる場合
仕様等が曖昧なまま仕事が完成し、不満が残っている場合
双方の仕様等に対する認識が食い違っており、不具合の発生について瑕疵かどうか争いが出た場合
などですね。
このようなトラブルをはじめとして、企業間のトラブルというのは、ほぼすべて契約内容の解釈により解決されることとなります。
企業活動は契約行為の積み重ねですからね。
契約内容は、契約書を基本に、様々な周辺証拠、周辺事情から判断されます。
勿論、何と言っても契約書などの合意文書が一番強いです。
また、契約トラブルの発生リスクは、契約内容の修正・変更・追加があった場合が特に高いです。
契約内容の修正・変更・追加があった際にきちんと取り決めをし直さないケースが多いです。
修正・変更・追加指示等の証拠も残っていないということも珍しくありません。
契約内容と違うと言われて瑕疵等を主張される、代金を支払ってもらえない、あるいは修正・変更・追加に関する代金・報酬の発生の有無が争われるリスクが非常に高くなります。
証拠がない中で後から「こういう約束だった。」ということを立証するのは大変です。
勿論、そもそも最初の契約がきちんとなされていないというケースも珍しくありません。
お互い何を頼んだのか、何を頼まれたかの認識が異なり、争われます。
最初は明確であっても、状況により変化が生ずるにつれてお互いの認識がズレていくことは珍しくありません。
裁判になると、契約内容が概括的で契約内容が読んだだけではよくわからない、争われている肝心な点が記載されていない、ひな型を使っただけで実態と合っていない等の理由で、契約内容はどうだったかが延々と議論される例はよくあります。
契約トラブルが発生すると、その解決には、時間・労力・金銭あらゆる多大なコストが発生します。
特に大きなお金が入って来ないとなると資金繰りの問題が深刻なケースもあります。
契約トラブルは、発生した場合の解決は当然必要ですが、発生を防止することがより大切です。
では、どうしたら契約トラブルは防止できるのでしょうか?
契約トラブル防止のエッセンスは、またお話しさせていただきます。
顧問契約、契約トラブル、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602