広島県広島市の弁護士仲田誠一です。
今回の企業法務コラムは、前回の続きです。契約トラブル防止のエッセンス2のお話しです。
前回、
経営活動は契約行為の積み重ねでありほとんどのトラブルは契約内容の解釈に帰趨するということ、
トラブルが発生しないように防止をすることが大事であるというようなこと、
をお話ししましたと思います。
では、具体的にはどうすればいいのでしょうか。
先日顧問先企業様の役職員様の集まりで当職がお話しする機会がありました。
その内容をかいつまんでご指摘すると、
1企業のリスク管理は分離とチェック、そのための見える化、記録化が基本です。
ただし、大仰な仕組みを作り必要はありません。身の丈に合ったコストがかからないルーティン化できる仕組みを作るのです。
2売掛の信用リスク管理の仕組み(枠設定、信用調査)を作る。
といったことが全般的なお話です。
契約については、
契約過程のやりとりをすべて記録に残す、
契約書類だけで見て、受注から債権回収までのあらゆる場面をきちんと想定できるかチェックする(解釈が必要な合意は意味がない)、
トラブルが多い追加や変更の場面では、特に追加・変更内容及びそれに応じた代金額等の変更の有無等と記録に残す、
記録方法は、何でもいいが、FAX・メールで相手の確認を取ることが重要です、
といったところがポイントでしょうか。
文章にすると抽象的になります。
気の利いた顧問弁護士さんなどがいらっしゃったら、一度社内で話をしてもらったらどうでしょうか。
一度、契約過程を弁護士にチェックしてもらえばより安心です。
最終的にはトラブルは法的に解決されます。それを担うのは弁護士です。
法的な観点から、仕組みやルールを作ってもらうことが大事です。
費用をかけて専門家に考えてもらうのもいいでしょう。
大事なのは、このようなことを現場で皆が気を付け、担当者が1人で決めないということですね。
そんなに面倒なことではないはずです。
誰かが気付く体制さえ作れば、契約トラブルはある程度防止できます。
トラブルは、契約内容の意識のずれから生じることがほとんどですから。
裁判をしていると、ここの記録さえ残っていれば勝てるのに!と残念なケースが多くあります。
皆が気付くことができる、当たり前のようにできる仕組み、ルールが必要です。
なお、売掛の信用リスクの管理にも契約書、契約~竣工過程の記録の整備が大事です。
明確に合意内容を説明できるケースでは、不払いはなかなか生じません。
勿論、個別顧客に対する信用枠の設定、定期的な見直しも必須です。
信用枠を増額するにはそれ相応のチェックが必要ですね。ババを掴まないように気を付けないといけません。
加えて、できるだけ担当者が企業を訪問して日頃のチェックを行うことも大切です。
社長が景気のいいこと言っていても、商品搬入のトラックがあまり来ない、在庫が積み重なっている、従業員の士気が低い等気付くことがあります。
会社の様子を見ると調子がいいか悪いかはわかりますね。
顧問契約、契約トラブル、企業法務サポートのご用命は是非なかた法律事務所に。
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
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