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法人破産のための準備など2 [借金問題]

広島市の弁護士仲田誠一です。

 

法人破産の準備はどうするべきかの続きです。

 

◇ 財産処分・整理

(決算書記載資産)

決算書に記載されている資産項目については、すべて説明をして、現金化できるものはしておくということが基本です。
破産管財人の手間を少しでも削減する意味もあります。
すぐに現金化できないものは破産管財人に引き継ぐことになります。

 

(銀行関係)

借入のある金融機関が絡む保険、共済、定期預金等は解約できるうちに早めに現金化します。申立費用等を捻出する必要がありますしね。
現金化債権者平等原則に従って破産手続により平等に弁済する、あるいは債権者共通の利益に費消するということですので、後ろめたいことはありません。


借入のない金融機関の預金については、もう使わなくていいというタイミングで解約していただきます。


当座取引があり手形帳、小切手帳がある場合には弁護士に預けてください。


貸金庫契約がある場合もあります、中身を空にして解約をしていただきます。

 

(機械・工具、什器・備品)

まずは固定資産台帳の確認です。台帳記載資産のチェックをします。

台帳記載以外の一括償却資産、償却済み資産については、最終的にリストは作成していただきます。

処分をするかどうかはケースバイケースの判断ですね。実際に現場を拝見してからの判断になります。
賃貸物件の整理の必要性からは処分を急ぐ場合もあります。破産管財人の立場ですが、工場内の機械類一式を競争入札で売却したことがあります。

自動車については、使わないタイミングで鍵を預かります。自動車保険についても使わなくなったタイミングで解約をしてもらいます。

 

(既に処分した資産)

法人破産を決断する前には資金繰りのために様々な資産を現金化していることが多いです。
少なくとも半年前、かつ直近決算後の売却、解約等の現金化については説明をしないといけません。
解約関係書類を探していただくことになります。使途も説明しなければなりません。

 

(保証人の銀行資産)

受任通知を銀行に出すと、保証人の口座も凍結され、相殺されることになります。
受任通知を出す金融機関には、法人・個人とも資産がない状態が理想です。忘れることがあるので気を付けてください。

 

◇ 賃貸物件

明渡しをしないといけませんね。弁護士が受任通知を出した上で、弁護士が折衝をすることになるでしょう。

中のものを処分整理して明渡しが可能なら明渡しをします。

中にある物の処分が難しい、あるいは処分費用がかなりかかる等の理由で、明渡しを破産管財人に引き継がなければならないケースも多いです。

勿論、家主と和解的な解決により(原状回復費用が払えないという前提で)、早期の明渡しが可能な場合もあります。

 

◇ リース、所有権留保物件

リース物件、所有権留保物件は返却します。弁護士が受任通知を出せば返還の要請が来ます。確認のため契約書は弁護士に渡してください。

自動車では、予め弁護士に車検証を確認してもらってください。きちんと所有権留保の形の所有者登録ができていない場合には、そのまま返却することができません。

場合によっては、債権者から所有権を放棄される、無償譲渡される場合もあります。そうなるとこちらで処分するか破産管財人に引き継ぐかをしないといけません。

 

◇ 帳簿、税理士

事業廃止までの帳簿はきちんとつけていただきます。

事業廃止後ですが、少なくとも領収書や請求書など帳簿作成に必要な資料を整理・保管してもらいます。

資金がある場合には、税理士への依頼を継続してもらうこともあります。

 

◇ 不動産

不動産については、処分が可能(担保に入っていない)かつ売却をしないと破産申立資金が捻出できない場合には、弁護士関与の下で適正価格にて売却します。
売却資金の使途はきちんと説明しなければなりません。

それ以外はそのまま破産管財人に引き渡します(鍵を弁護士に預けることになります)。

勿論、お邪魔して、写真を撮り、状況を報告します。

 

◇ 許可、認可、登録

法人破産をすれば最終的に法人はなくなります。営業を廃止した後に、営業に必要な許可、認可、登録などは抹消等を届けてもらいます。

 

◇ 仕掛の仕事

基本的には営業廃止にかかる仕事は受けないようにしてもらいます。

それでも残ってします仕掛仕事は、契約書を基に一覧表を作成します。対応ができるものはしていただくこともあります。

賃貸管理会社の破産の場合にもそうでしたが、継続的な仕事についてもリストを作成し、顧客に営業廃止後の対応を説明しないといけないですね。

 

まだまだ法人破産の準備の話は尽きませんが、この辺までにしておこうと思います。法人破産はオーダーメイド色が強いです。できるだけ早く弁護士の助けを得て、ご準備ください。
本格的な準備は営業廃止後ですが、その前にやっておかないといけないこともあります。

ざっと法人破産の準備についてお話いたしました。
勿論、個別の問題毎にもう少し掘り下げて説明しないといけない点が多々あります。機会を見て説明していきますね。

 

債務整理(任意整理、民事再生、自己破産等)のサポートはなかた法律事務所にご用命を。

 

広島の弁護士 仲田 誠一

なかた法律事務所

広島市中区上八丁堀5-27-602

https://www.nakata-law.com/

 

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