広島市の弁護士仲田誠一です。
離婚の話です。
離婚係争中(別居中)の婚姻費用金額、離婚後の養育費について、一度決めた金額を変更できるのでしょうか。
もちろん、一旦決めた金額を一方が自由に変更することはできません。
婚姻費用や養育費は、それを決めたときに存在した事情、あるいは予測できた事情を基に金額を合意(協議離婚あるいは離婚調停・婚姻費用分担調停で決まったとき)ないし決定(婚姻費用分担の審判、離婚訴訟で決まったとき)されています。
金額を決めた後に決める時には予測できなかった事情が発生すれば、当然として変更を行う必要が出てきますね。
元配偶者双方とも収入が増減することはよくありますし、被扶養者や扶養者が増えるときもあります。
様々な基礎事情が変更することは珍しくはありません。
事情の変更により従前の約束や調停、審判結果を維持するのが不公平となった場合には、金額を増減することができ、そのための調停、審判手続が用意されています。婚姻費用の増額・減額、養育費の増額・減額の調停・審判ですね。
事情の変更としてよく主張されることは、収入の増減、被扶養者の増加(子の誕生)ですが、限定はされていません。
勿論、事情の変更があったら自動的に変更されるわけではないです。
事情の変更があったことは前提として、現在の婚姻費用、養育費を維持することが当事者の公平を害することが必要です。
単純に双方の収入状況が変わったから変更してくれるわけではないのです。
減額調停あるいは増額調停時の状況により改めて相当な養育費、婚姻費用を算定するというイメージではありません。いったん決めた金額を維持するのが公平を害するかどうかの判断がなされます。
増減金額も具体的な状況によります。その時点での算定表所定の金額になるというわけでもありません。
再婚等により被扶養者の数が増えた、あるいは扶養者が増えた場合を除いて、簡単には変更してくれるわけではありませんが、具体的な経済状況等も説明して変更してもらった例も勿論あります。
なお、事実上の話ですが、合意や調停で決めた婚姻費用・養育費は、審判・訴訟で決めたそれらよりも変更し難いと言われています。同意により決めたのであれば、同意に至る様々な事情が考慮されてしまうからです。
一概にそうと言い切れる話ではないですが。
養育費や婚姻費用が多すぎる、あるいは少なすぎると感じられたなら、何か前提とされた事情が変更しているはずです。
法的にどのように主張を組み立てて増減ができるのかを、専門家とご相談ください。
離婚、婚姻費用、養育費、財産分与、慰謝料請求等、離婚問題のサポートはなかた法律事務所にご用命を。
広島の弁護士 仲田 誠一
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