広島市の弁護士仲田誠一です。
相続につきもののお墓のお話をします。
先日、広島県下の消費生活相談員の方々を対象として、葬儀とお墓をテーマとした研修を担当いたしました。
トラブル事例などの説明をしたのですが、今回は軽いお話にとどめてお話します。
「お墓を買う」っていうことは法的にどういうことになるのでしょうか?
墓石については、その所有権を取得するということになります。
勿論、所有権といっても、祭祀に供されると単純な物の所有権と違う扱いになります。
一方、土地については、所有権をするケースはほとんどないと考えていいです。
通常は、一定の区画の墓地使用権を取得することになります。
契約書や規約などを見るとそのようなことが書いてあるはずです。
墓地使用権が所有権ではなく債権的権利なので、そこから様々な法的問題が出てきます。
お墓は誰のものなのでしょうか?
お墓は親族みんなのものではありません。
また、お墓に関する権利は相続財産として遺産分割の対象とならないのが原則です。
祭祀の主宰者(祭祀の承継者)が、墓石の所有者、墓地使用権の管理者になると一般に理解されています。
お墓に関する責任は祭祀の主宰者にありますし、分骨や納骨など、何をするにも祭祀の主宰者の承諾が必要となってきます。
祭祀の主宰者は、
①被相続人の指定(遺言でなくてもいい)、
②慣習、
③家庭裁判所の判断
の順で決まります。
遺言を作成する場合には祭祀の承継者を決めていることが多いですね。
慣習については長男が祭祀の承継者になるという慣習はないとされています。
どうしても決めないといけないときは、家庭裁判所の審判で決めてもらいます。
その際には、葬儀の喪主や寺院あるいは霊園に登録している管理者が祭祀の主宰者であるとされる例が多いでしょう。
近時、相続人が遠方にいる、あるいは相続人がいないということから、「墓じまい」のケースも増えていますね。
こちらも祭祀の主宰者が責任をもって行うことになります。
また、墓地の管理者側では、相続人が行方不明のお墓の処分も問題となっています。
墓地の法律関係は難しい問題が含まれますので、弁護士にご相談の上判断なされた方がいいと思います。
遺言、遺産分割、相続放棄、遺留分等、相続問題のご相談はなかた法律事務所へ。
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
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