広島市の弁護士仲田誠一です。
前回、所有者が不明の不動産についてお話をしました。
今回は、ご自身が共有持分を保有している不動産の共有者の連絡先が不明なケースのお話をします。
このようなご相談を受けることもあるのですね。
亡くなった父と第三者の共有になっている土地建物があるが、その人とは交流がなく連絡先もわからない。売却をしたいが困っている、老朽化した建物を取り壊したいが困っているなどです。
相続により生じていた共有のケースでは、手間はかかる場合がありますが、生死の別、現在の共有者、連絡先を確認することはできるのが通例です。
戸籍を辿ればなんんとかなります。
したがって、何らかの形で交渉・訴訟を進めることに問題は生じません。
遺産分割協議、時効取得等の交渉・訴訟をすることができます。
共有者が知らない第三者である場合が困るのですね。
登記を見れば共有者の住所・氏名は載っています。
しかし、住民票の保存期間が限られているため、住民票を追って調査して本籍や現住所を確認できない場合があるのです。
そうなると本籍がわからず戸籍が取れない、結局は生死も連絡先もわからない状態となります。
なお、珍しいケースで共有者の名前も書いておらず「その他〇名」とだけある登記もあると聞きました。そうなるとお手上げです。
共有者が見つからない場合どうしたらいいのでしょうか。
不在者財産管理人を選任してもらい、協議あるいは共有物分割訴訟により任意売却を交渉する、取り壊しの同意をもらうなどの対処が考えられるでしょう。
勿論、時効取得が可能な事案なら時効取得を理由とした所有権移転登記手続請求訴訟になるでしょう。
手間暇費用から大変なことですね。
法律の建前では、共有関係は異例な状態として捉えられています。
共有者はいつでも共有物分割請求をすることができるのが原則なのです。
実際にも、共有関係ではいろいろな面倒が起きてきます。
やはり、共有状態は出来るだけ早期に解消した方がいいでしょう。
仮に後の代にまで残しておくと、さらに対処が難しくなるでしょう。
不動産に関するお悩み事がございましたらなかた法律事務所にご相談を。
広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602