広島市の弁護士仲田誠一です。
不動産問題のうち賃貸物件の更新拒否(立ち退き請求)のお話です。
借地借家法の定めから、家主からの賃貸借契約の更新拒否には正当な理由が必要です。
いったん人に貸すとなかなか返って来ないのですね。
弁護士は家主、借主の双方の立場に立ち得るので、どちらの味方をするわけではありません。
ただし、借家人保護の法制は、賃貸物件が溢れてきている現在では、修正が必要なような気もしております。
家賃保証会社やそれに加えての保証人の強制などの方が問題のような気がします。
勿論、悪質な立ち退き請求は現在でも存在しますのでそれは別問題です。
正さないといけません。
ところで正当理由には様々なものがありますが、簡単には認められませんね。
家主側の理由が弱い場合には立退料の支払いと併せて正当な理由が認められるケースもあります。
具体的な事情に応じてケースバーケースの判断がなされますので、似たような裁判例を探して見込みを立てるしかありません。
立退料の問題に収斂することも結果的に多いですね。
最近ご相談が多いのが建物の老朽化です。
耐震の問題で大家さんの関心も高いのではないでしょうか。
しかしながら、裁判例を見ると、単に老朽化したから建て直しをしたいということだけでは正当な理由が認めらない傾向のようです。
自家利用の必要性等の他の理由も要求されます。
もっとも、老朽化の程度の問題あるでしょう。
大家も老朽化したまま貸すのは事故があったときを考えると怖いですね。
一方で、賃料との兼ね合いで耐震化工事の費用を出すことが難しい例も多いはずです。
耐震化の問題が社会問題になっている中、老朽化による更新拒否は必ずしも家主側の身勝手な理由とは言えません。
裁判所の判断も今後徐々に変わっていかざるを得ないのではないでしょうか。
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広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
広島市中区上八丁堀5-27-602