広島市の弁護士仲田誠一です。
契約書(協議書、合意書等の名称でもなんでもかまいません。)は何通作成する必要があるのでしょうか?
実は、契約書の通数に法律上の決まりはありません。
そもそも、契約(合意)が有効かどうかには、契約書を作成したかどうかは直接関係ありません。
契約書などの書面がなくても、契約の成立は認められ得ます(書面による合意が要求される特別な行為も例外的ににございます)。
現に、訴訟においては、契約書がない合意の成立が争われることが多いです。
ただ、契約書を作成した方がいいのは勿論です。
契約の成立の証拠を残さないといけませんし、後日の紛争を防ぐためには取り決め内容を書面にしておかなければなりません。
書面がない合意は、他にそれを証明できる行為や物(FAXやメールのやり取りでも)がなければ、合意ないものと扱われます。
契約書を作成する際には、通常は、合意の当事者の数だけ作成し、各1通保管する方法をとることが多いですね。
契約書などの最後に「本書を2通作成し、甲乙各1通保管するものとする。」と言った文言が入っているのはそのことです。
各当事者が原本を1通保管したいのが通常ですからね。
勿論、当事者の数と契約書の作成数はイコールでなくても構いません。
例えば、破産事件で破産管財人弁護士として不動産を売却する際には、売買契約書の原本は1通作成し、買主にお渡しし、当方は写しを保管することはよくあります。
特に原本は必要ないですし、印紙税の節約にもなりますし。
逆に、相続における遺産分割協議書では、預金の払い戻しや登記など多数の手続を並行して行わざるを得ないケースの場合、同時に手続を進めるために当事者の数より多めの通数の遺産分割協議書を作成することもありますね。
このように、契約書(合意書、協議書等)は是非とも作成しなければなりませんが、その通数は特に決まりがあるわけではありません。
適宜必要な通数を作成されたらいいでしょう。
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広島の弁護士 仲田 誠一
なかた法律事務所
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