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相続関係

相続問題のご相談

相続に絡む問題は多岐にわたります。相続問題全般に関してのご相談を承っております。
 

相続問題とは

人は必ず亡くなります。相続は人にとって避けることのできない問題です。
相続をきっかけに仲の良かった親族関係が悪化することも珍しくはありません(いわゆる「争族」)。うちは子どもたちが仲いいから大丈夫と思っていても、重しが取れると変わることがありますし、各配偶者等の意向も影響してきます。最初から相続人の仲が悪ければそれなりの対処をされることと思います。トラブルが発生するケースの多くは、揉めることはないと思っていたケースです。遺産の金額の多寡もあまり関係がありません。金額が小さくとも争いが発生します。

生前の準備
まずは、相続対策として生前にできることをしておくのが肝要です。できるだけ納得感のある公平な対策かつ法的に争う余地のない対策を行うことにより、後に相続する方々への責任、思いやりを果たしてはどうでしょうか。
相続に備えて遺言を利用して後顧の憂いをなくすことが基本です。ここでご注意いただきたいのは遺言の内容によっては争族を招きかねないということです。納得感が非常に大事です。兄弟姉妹を除く法定相続人には、最低限度の財産を残す意味の遺留分という制度が用意されており、その遺留分を侵害する遺言や生前贈与に対しては、遺留分侵害額請求権という形で財産を確保する途があります。
遺言作成の際には、遺産の構成を分けやすい形にする、納得感のある配分(たとえば事業関係の資産は後継者、それ以外を他の相続人とする。遺留分を侵害しないような遺産分割方法を指定するなど。)することも大事です。
なお、お子さんがいないご夫婦のケースでは遺言は必須です。不動産をはじめ財産を配偶者に全て残す遺言を作成しない限り、亡くなられた配偶者の直系尊属あるいは兄弟姉妹(先に亡くなっていた場合は甥姪まで)も共同相続人となります。特に、自宅不動産を配偶者が相続するのに苦労をしかねません。

生前から発生するトラブル
また、相続トラブルはご生前に始まっていることも多いです。親御さんがご高齢あるいはご病気などで親族に頼って生活されている間のお金のやり取りを巡る争い(相続開始後に預金の不正引き出しを巡る紛争が発生する形で顕在化する場合もあります)、推定相続人の1人が強く働きかけて不公平な遺言書を作成させる、疑わしい生前贈与や養子縁組が行われるなどがよく見受けられます。そのようなことが想定される場面では、財産の管理を明確にし、場合によっては任意後見制度、成年後見制度、あるいは財産管理契約を利用するなどによって後の紛争を防ぐ必要もあるでしょう。

相続発生後
ご相続が発生した場合には、とにかく公平、迅速な解決を早期に図ることが必要です。時間が経てば経つほど親族関係も崩れていき当事者の方はみな疲弊します。
残念ながら当事者間で話し合いがまとまらない場合には、弁護士による交渉あるいは調停・審判を経る等して、第三者の目、法的観点から、公平な分割を進める必要があります。
遺産分割事件の法的な解決は、調停手続、審判手続によります。
遺産分割の前提問題として、相続人を確定するための訴訟(養子縁組無効確認訴訟など)、遺言無効確認訴訟、、あるいは財産に関わる訴訟(遺産範囲の確定訴訟など)が必要となるケースもあります。
遺産分割と並行して、相続人が勝手に預金を引き出した等を原因とする損害賠償請求訴訟も必要になることもあります。
遺言があり、それが遺留分を侵害するものであれば、遺留分侵害額請求の話になります。

相続放棄・限定承認
なお、被相続人の借金が多い、あるいは多いのではないかと思われる場合には、相続放棄、限定承認という手続を期間内にきちんと行うことが大事です。
手続の簡便さや費用の関係で、相続放棄を選択する方がよろしいと思います。相続財産や相続債務の調査に時間がかかる場合には、選択期間(熟慮期間といいます。)を伸長する手続を家庭裁判所を行っていただければ、調査をする余裕を得ることができます。
相続放棄は、第1順位(直系卑属)が全員放棄をしたら、第2順位(直系尊属)が相続人に、第2順位が全員相続放棄すれば第3順位(兄弟姉妹)と相続人が移っていきます。兄弟姉妹が先に亡くなっているケースでは甥姪まで繋がります。全員分を一括して弁護士に依頼し管理をしてもらいながら進めることをお勧めします。

相続人不存在
相続人がいらっしゃらない場合(あるいは推定相続人が全て相続放棄した場合)には、相続財産管理人が選任され、特別縁故者がいればその人に財産が分与し(一部分与されることもあります)、残りがあれば国庫に帰属する流れになります。相続財産管理人の選任がなければ何も進みません。

相続人と連絡が取れない
他の推定相続人と疎遠であり連絡が取れないというケースや、被相続人の戸籍を調べたら前婚時に子どもがいたことがわかったというケースもあります。
このようなケースでは弁護士を通じて住所を調査し、連絡を取ることがスタートになるかもしれません。行方不明の場合には不在者財産管理人や失踪宣告などの手続が必要なケースもありました。

遺産分割後の紛争
代表的なものは、共有不動産に関する紛争です。相続で共有となった不動産について、賃料相当損害金あるいは不当利得の請求を行う、共有物分割請求により清算をするなどが問題となります。

相続にまつわる問題はこのように多岐に別れています。それぞれ法的な知識が必要な事柄ですので、事前あるいは早めにご相談されることをお勧めします。


相続関係のご相談内容の例

  • 遺言書の作成(公正証書遺言、自筆証言遺言):基本的には公正証書遺言を作成します。検認手続が要りませんし、何よりも有効性が担保されます(容易に覆りません)。文案や配分等のアドバイスから公証人役場との調整などご相談から作成までサポートいたします。生前の相続対策全般についてご相談いただくといいと思います。遺言執行者の指定も承りますが、遺言執行者が相続人間の争いについて一方の相続人の代理人をすることができないため、ご親族の1人を指定していただくことが多いです。
  • 財産管理:生前の財産管理契約を弁護士と締結し、手元財産以外の財産を弁護士が管理して保全します。財産保全、相続争いの防止などのために利用されます。
  • 任意後見、成年後見等:判断能力が減退した際の財産管理・療養看護のための成年後見人選任のサポート、あるいはそれを事前に準備する任意後見契約のサポートです。判断能力を喪失した際には施設との契約など各種契約を有効に締結することができませんし、財産を逸失してしまう危険もあります。そのため、成年後見人が法定代理人として本人に代わって財産管理・療養看護を行います。任意後見契約は、事前に成年後見人候補者を定めて判断能力が減退した時点で候補者にスムーズに成年後見人となってもらう制度です。判断能力の減退の程度によって、補佐・補助の制度もあります。
  • 遺留分侵害額請求・・・民法が改正されるまでは遺留分減殺請求でした。改正により権利の内容が金銭請求に統一されています。遺留分とは、相続人に一定額を保障する制度です。兄弟姉妹以外の相続人に認められます。全体の遺留分割合は、直径尊属のみが相続人である場合が3分の1、それ以外が2分の1です。3分の1ないし2分の1に当該相続人法定相続分を乗じたものが個々の相続人遺留分割合です。
  • 遺産分割協議書の作成・遺産分割協議・・・遺産分割協議のサポートです。相続人調査、他の相続人の連絡先を確認することからサポートすることもあります。調停、審判に至らずに交渉で解決することも多いです。当事者同士では感情的になって話が進まなくても、弁護士同士の交渉ではスムーズに解決することもあります。
  • 遺産分割調停・審判・・・遺産分割協議で解決できないケースや協議ができない事情がある場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。裁判所がある程度の調停案(和解案)を出してくれることもあって調停で解決することが多いですが、中には審判まで進むケースもあります。調停は弁護士に代理人を依頼しなくてもできるのですが、法的な基礎があってこその話し合いです。中には不利な内容の調停案を呑まされたという例もございますし、遺産の評価、特別受益、寄与分などの法的な主張は弁護士に依頼した方が安心です。特に、審判に進むケースではできるだけ早く弁護士に依頼することをお勧めします。弁護士が代理人となると毎回裁判所に行く必要もありません。
  • 遺言無効・養子縁組無効訴訟・遺産の範囲の確定訴訟等・・・遺言が無効である(遺産分割協議の前提となります)、養子縁組が無効である(それにより相続人が変わります)、遺産の範囲の確定(名義が違う〇〇が遺産であることを確認したい)等は、権利義務の確定に関する争いですので訴訟事項です。遺産分割調停・審判では解決できません。調停の前に訴訟にて解決することになります。調停中にこのような争いが顕在化した場合には、調停がストップされ、あるいは打ち切りになります。
  • 不当利得返還・損害賠償請求訴訟・・・生前に被相続人預貯金を管理していた相続人が不透明なお金の使い方をしていることはよくあります。それが被相続人本人の意思に基づかない不正な出金行為であるとなると被相続人から当該相続人に対する不当利得返還請求権あるいは損害賠償権が発生し、それを法定相続分に応じて各相続人が相続することになります。証拠関係が乏しいケースが大きく、また医療記録や介護記録などから当時の被相続人の精神状況も説明しないといけない等、簡単ではない訴訟です(勝訴したことはありますが苦労をする部類の訴訟です)。
  • 相続放棄・・・相続放棄に関する総合的なサポートです。相続放棄をお考えになる際は、法定承認行為(財産の処分などの行為があると単純承認したものとみなされる行為)に気を付けないといけません。相続放棄後の様々な後処理にも悩むことがあります。それらについて弁護士のアドバイスを受けながら相続放棄をした方が安心です。債権者に対する対応も弁護士が担当してくれます。さらに、相続人全員が相続放棄をしないといけないケースでは、兄弟姉妹や甥姪には相続放棄手続を依頼しずらいことがあります。近親者が弁護士に一括して依頼して、遠方や縁の遠い相続人を含めて段取りを組んでもらい相続放棄手続を進めた方がよろしいでしょう。
  • 相続財産管理人選任申立て・・・相続人がいないあるいは相続人全員が相続放棄をした場合には(勿論遺言もないケースです)、相続財産管理人を選任しなければ遺産を管理する人がいません。処分や清算ができないのですね。債権者、共有不動産の共有者などが選任を申し立てるケースが多いです。成年後見人が被成年後見人の相続人がいないということで申し立てるケースもあります。
  • 特別縁故者に対する分与申立・・・相続人がいなければ遺産は国庫帰属されるのが建前です。そうはいっても相続人ではなくとも被相続人との特別な関係にあった方に財産を分与したほうがいいケースもあります。そのようなケースでは、相続財産管理人の選任が前提となりますが、特別縁故者に対する分与申立てという制度があります。遺産の全部の分与が認められるケースも、一部だけの分与が認められるケースもあります。特別縁故者と認められるかの要件があり、それらは簡単には認められませんので、弁護士のサポートを受けて申し立てることをお勧めします。
  • 共有物分割請求・・・相続が原因で不動産が共有になることも珍しくありません。共有関係はトラブルの元ですし処分も難しくなるので望ましくありません。民法上も共有物は分割できることが原則となっております。共有関係は世代を重ねるとより複雑にもなりますので早期の解消を図るべきでしょう。共有物分割請求のほか、独占して使用あるいは賃貸している共有者に対する賃料相当額の損害賠償請求あるいは不当利得返還請求をする場合もあります。

弁護士に依頼するメリット

  • 相続対策は法的に有効に行わなければいけません。法律の専門家にプランニングをお願いしてください。
  • 戸籍の取得や相続人の調査など煩雑な手続も合わせて依頼することができます。
  • 早い段階で弁護士が介入すれば、感情的に激しい争いが生じることを防ぐことができます。かえって今後の良好な親族関係を維持できる場合も多いです。
  • 親族間では、力関係によって正当な権利の主張も難しい場合が多々あります。親族間の力関係に依らない、法律に則った公平な相続の実現が可能です。
  • 相続といっても法的な論点が多々あります。法的に可能な解決方法も多岐にわたります。弁護士による法的主張の整理あるいは適切な解決方法の選択が欲しいところです。
  • 相続人と連絡が取れない、面識がない、あるいは相続放棄などを依頼し難いケースでは弁護士の助けが必要でしょう。

費用

以下の基準はあくまでも目安です。ご事情により、減額や分割支払のご相談をさせていただきます。
費用も含めてご相談ください。
法テラスの民事法律扶助の利用も可能です。
 

着手金


報酬金

遺言書作成・・・いただいておりません。遺言執行者ご指定のケースでは遺言執行者報酬を予めいただくこともあります。

遺産分割事件・・・標準:得られた経済的利益の11%(消費税込)

相続放棄・・・いただいておりません。

限定承認、相続財産管理人選任等・・・いただいておりません。

その他のご依頼事項・・・経済的利益が存在する案件    標準:得られた経済的利益の11%(消費税込)
            経済的利益が存在しない案件   いただいておりません。




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